低用量ピルを事後的に避妊に使える理由

低用量ピルというのは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンとよばれる2つの女性ホルモンの役割を果たす物質を含んだ医薬品で、卵胞ホルモンのほうの含有量が50マイクログラムに満たないものを特に低用量ピルとしています。この名前の由来ですが、かつては高用量ビルや中用量ピルとよばれるものがあり、これらは卵胞ホルモンの含有量が50マイクログラム以上か、またはちょうど50マイクログラムというものでしたので、より含有量が少ないものを区別するためというのが理由です。
低用量ピルは、基本的には事前に避妊をしたいときに服用するもので、生理周期のはじまりとともに、毎日1回、1錠ずつを飲み続けて、体内での女性ホルモンの濃度を一定にしておくのです。このことによって、からだはすでに妊娠したものと勘違いをするので、これから妊娠をしようとして自然に行われていた排卵や月経といったものがなくなります。これが、低用量ピルの継続的な服用によって避妊が可能となる理由です。
ところが、同じ低用量ピルを、性行為をしてしまった後で、事後的な避妊のために用いるという方法もあります。この場合、通常の服用量では足りないため、一度に複数錠を飲むことになり、事後すみやかに1回、さらにその12時間経過後にもう1回飲むという、特別な飲み方をします。これは、通常であれば長い期間をかけて行うホルモン濃度を一定以上にするという作業を、緊急的に行うことによって、同様の避妊効果を得ようとするのが理由になっています。服用量や時間的な期限といったことが重要になりますので、産婦人科などの医師の指導を受けながら行う必要がありますが、正しく飲めば事後的にであっても避妊効果を発揮できるのが通例です。