低用量ピルの成分

ピルの成分は、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤です。黄体ホルモンは、排卵後や妊娠中の女性の体内で多くなるホルモンで、黄体ホルモンを外部から摂取してホルモン濃度を上げると、妊娠中と同様な状態になるため、排卵が起きません。これが、ピルによって妊娠を回避できる仕組みです。
卵胞ホルモンを一緒に使うことで黄体ホルモンの作用は強くなるので、ピルには卵胞ホルモン剤も含まれています。しかし、副作用の多くが卵胞ホルモン剤に起因するため、卵胞ホルモンの量を50㎍まで減らしたピルが開発され、それまでの中用量ピルに対して低用量ピルと呼ばれるようになりました。低用量ピルの卵胞ホルモン剤の量は20から40㎍で、30㎍以下のピルは超低用量ピルとも呼ばれます。
経口避妊薬として使用が始まった頃の黄体ホルモン剤はノルエチステロンです。ノルエチステロンは作用が弱いので、卵胞ホルモン剤が多く使われていました。第一世代低用量ピルは、卵胞ホルモン剤の量を減らす代わりに、黄体ホルモン剤の量を増やしたものです。黄体ホルモンの量を増やさずに効き目を維持するために、新しい黄体ホルモン剤レボノルゲストレルが開発されました。これが、第二世代ピルです。レボノルゲストレルは、卵胞ホルモンが少量でも効き目があるのですが、ニキビなどアンドロゲン作用が見られるため、ホルモンの量を段階的に変化させる2相性ピルや3相性ピルとして対処しています。続いて、このアンドロゲン作用を抑えたデソゲストレルやゲストデンなどの新しいタイプの黄体ホルモン剤が開発され、第三世代ピルとして販売されました。
第三世代ピルは、これまでのピルの欠点を克服しており、人気があります。

低用量ピルでの避妊の成功率

低用量ピルは、避妊の成功率が高い避妊方法のひとつです。手軽な避妊方法であるコンドームの場合は、低用量ピルよりも成功率が下がります。また、子宮内避妊具は、低用量ピルと同じくらいの成功率がありますが、子宮内に器具を入れることになるため、出産を経験していない人や子宮内に器具を入れることに抵抗がある人などには向かない方法です。
低用量ピルが避妊の成功率が高い理由としては、含まれている女性ホルモンによる働きで、ほぼ確実な避妊効果を得ることができます。まず、排卵を抑制することができます。排卵がされなければ、受精を成立しないため妊娠することがありません。もし、排卵・磁性が起こったとしても子宮内膜が厚くならないため、受精卵の着床がされないため、妊娠が成立しません。さらに、膣内の粘液を減少させたり粘性が上がるため、精子が子宮に入りにくくなるため、受精の可能性を下げることができます。これらの働きにより高い成功率の避妊効果が得られます。
ただし、1日1錠決まった時間に飲む必要があります。また、副作用もあります。主な副作用としては、飲み始めに吐き気やだるさ、不正出血、頭痛、むくみなどがあらわれます。これらの副作用は、マイナートラブルとも呼ばれ、ほとんどが1ヶ月程度飲み続けることで、症状が軽くなり気にならなくなることがほとんどです。健康な若い女性であれば、重い副作用の心配は少ないですが、副作用には個人差があるため、気になる場合には、低用量ピルの種類を変えることで完全することもあります。
35歳以上でタバコを1日15本以上吸う人や高血圧、不正出血、血栓症素因のある人などは、服用することができないようになっています。

低用量ピルで生理痛を緩和

低用量ピルは避妊目的で使用されることが多いホルモン剤ですが、生理周期のコントロールや生理痛を緩和する作用もあることで、子宮内膜症の治療にも用いられています。
低用量ピルには女性ホルモンであるエストロゲンおよびプロゲステロンが配合されており、決められた使用方法で正しく服用すると、ホルモンバランスを安定化させて、排卵を抑制する作用があります。
その結果、受精ができずに避妊の効果が得られるようになります。避妊の確率は99.9%と言われ、その他の避妊方法に比べるとほぼ確実な効果が得られる方法です。同様に排卵が抑制されることで、生理周期が安定するほか、子宮内膜の増殖を抑えることで、月経による出血を減少させて痛みを緩和することが可能となります。
生理痛は子宮内膜の中にあるプロスタグランジンという物質が子宮の収縮を促す作用があり、この分泌が過剰に行われると子宮の収縮が激しくなり痛みを伴い出血が多くなります。低用量ピルを服用していると、子宮内膜の増殖を抑えるだけでなく、その原因となるプロスタグランジンの量も減ることから、生理痛が緩和されるようになります。
ホルモンバランスが安定することで、生理痛のイライラも収まり、生理による出血の減少を原因とした貧血にも改善がみられるようになります。
その他、子宮内膜症の予防・改善、ホルモンバランスの安定による吹き出ものやニキビの改善によって美肌へと繋がる効果など、低用量ピルは女性の体に良い影響を及ぼしてくれます。高用量や中用量と比較して、ホルモン含有量が大幅に下げられており、避妊効果が現れるぎりぎりの量となっていることで、身体への影響も少ないことから、副作用も小さなものとなっています。